通教部提出作、18名から。2011/07/01 17:46

9月11日(日)スクーリングに向けた通教部春期第2回提出作が、今日は18名からとどきました。--5時半現在。
封筒おもてに文校の住所と名称しか記載のないものが交ざっていましたが、せめて《通教部第2回作品》と記入してください。文校には、いろりろな原稿がとどくからです。

春期第2回作品の、いちおうの締切は明日(2日、土曜日)です。近隣の通教生は、事務局への持参もOKです。

9月スクーリングのときも、その前日午後と当日午前にプレ・スクーリングを予定しています。そのプレ・スクでは、今回の提出作品のうち『樹林』9月号(通教部作品集)に載らない作品を、希望者全員の分合評します。
プレ参加希望者は、作品提出時、プレ用にコピーを1部添えてください。

(小原)

【学生委員会より】春期第5回大阪文学学校学生委員会 議事録2011/07/02 13:30

                  
第5回 大阪文学学校学生委員会

日   時:2011年6月20日(月)
出 席 者:16名
内   容:
1.野神委員長より開会の挨拶が行われた。
2.各部活動報告・活動が行われた。
  ■ イベント部
  夏季合宿についてー―参加募集締切り日、宿への人数通達日等、今後のスケジュールについて報告された。
  当日までにすべきこととして、校長・チューターへの参加依頼、余興等の準備、名簿・部屋割りの作成についての段取りが報告された。
  チューターのみの部屋を別に確保できるかという意見があり、部屋の確保を手配することとした。  
  氷や水を車で運搬する組と、駅にて引率する組、先発組の役割分担について話し合われた。
  合宿の参加者募集ポスターの制作・掲示が行われた。
  
  ■ 在特部
  チューターに選考委員選出のお願いを行ったことが報告された。
  引き続き、選考委員の募集に向けて、呼びかけを行っていく。
  点数表作成や、作品締切日・翌日作品受渡しについての段取りが話し合われた。

  ■ 新聞部
  ページの割り振りについて話し合われた。
  合宿のレポート記事や高村薫の特別講座の案内記事掲載を含め、20ページ程度の号となる。
  原稿締切日は7月28日(木)。印刷は8月3日(水)に行う。
  折込・発刊は8月22日(月)である。

  ■ 広報部
  今回の学生委員会の速報を作成した。

次回の第6回大阪文学学校学生委員会
日   時:7月4日(月)19:00~
-以上-

通教部提出作品のいちおうの締切日。----25名からとどく。2011/07/02 15:40

通教部・春期第2回提出作品の、いちおうの締切日だった今日だけで、郵便、宅配便、文校の郵便受け投入、そして事務局への持参、あわせて25名の提出者がありました。そのうち13名からは、速達でとどきました。
今日までに到着していないと、9・11スクーリングのテキストになる通教部作品集(『樹林』9月号)の掲載対象作品からははずれますが、締切2週おくれの7月16日(土)までにとどけば、担当チューターからアドバイス批評(個別評)は受けられます。もちろん、「文校ニュース」の各クラス総合評にも載ります。
未提出の方、今からでも遅くはありません。あきらめないで1日も早く、作品を提出してください。担当チューターによっては、 何日か遅れても、通教部作品集の掲載対象にふくめる場合もあります。
なお9・11スクーリングの前日午後と当日午前にはプレ・スクーリングがあり、希望すれば、7月16日までに提出した自作品を合評してもらうこともできます。

(小原)

夜・文章講座、第2回課題の例文。2011/07/04 21:56

夜・文章講座
ストーリーテリングを考えるⅢ―物語の話型論
講師 葉山郁生(作家)

第2回 7月11日(月)午後6時30分~

●玉(宝)探しと自己成長の話
●教材=『源氏物語』「明石の巻」「玉鬘の巻」(古典原文または各種現代語訳)

    *    *

●課題=1回目の「水の女」の話を取りこんだエッセイ・小説の一節

 二回目課題の「水の女」の話を取りこんだエッセイ・小説の一節については、一回目に講義したとおりです。津島佑子さんの「水府」が一例で、一回目未受講の方は、文校でコピーをとるなどして下さい。
 ここで、簡単な紹介をしておきます。
 話型論の一つとして「水の女」は、世界文学の広がりがあるもので、西洋ではオンディーヌなどがあり、日本文学では折口信夫の「水の女」が代表例です。神の子ないし英雄が禊ぎをする際に水を司って奉仕する女性のことを言います。傷ついて救済を求める、転落した貴種や英雄が、水の女の浄化力により救済されるというものです。柳田国男の「妹の力」とも関係すると、前回講義で紹介し、水の原初的イメージが濃厚です。
 ここでは、「水府」ではなく、前回紹介した、吉本ばななの「白河夜船」の一節を課題例として掲載しておきます。不倫相手の中年男の妻は寝たきりで、若い女性主人公は水辺で男と花火を見ます。自身が「波イメージ」になって、相手の男も救済していく、という中篇小説の最終部です。


 彼はけげんそうにそう告げた。
「……やっぱり」
 と言った私の目には、突然、涙がにじんだ。自分でもわけのわからない涙だった。それより、と言って彼が花火とうなぎの企画のための待ち合わせ場所を告げる声を聞きながらメモを取る手元も、部屋中も、熱くにじんでぼんやりと明るく、光って見えた。

 川べりへと向かう、だだっ広い大通りはすでに車両通行止めになっていた。人々は皆、通りいっぱいに広がり、川のほうへ、花火のほうへと歩いていた。浴衣(ゆかた)を着て、子供に肩車をして、笑いさざめきながら幾度も空を見上げ、まるで祇園祭(ぎおんまつり)のように皆が同じ方向へ流れていた。このような景色を見たことがなかったので、なんだか気持ちが急いだ。見上げる空にいつ花火が開くかという期待感に満ちた人々の顔は、とても明るく見えた。
「こりゃあ、やっぱり川まで行かれないな。見てみな、ぎっしりだよ」
 がっかりした口調で彼が言う、その汗をかいている横顔を見上げる。
「いいわよ、少しくらい見えるでしょう?」
 私は言った。
「高い所でないと、だめかもしれないぞ」
「いいわよ、音が聞こえれば」
 背伸びをして見てみると、橋を渡る行列ができ、たもとは黒山の人だかりだった。濃い藍色(あいいろ)に沈む夜空がやけに広かった。警官が闇(やみ)に立ち、ロープに押されるように人々は進んだが、私たちはその行列の手前で立ち止まった。
 大切なのは花火ではなく、この夜、この場所に一緒にいる二人が同時に空を見上げることだった。腕を組み、そのへんにいる人たちと同じ方向に顔を上げ、大きな花火の音を聞くことだった。まわり中の高揚につられて、私はわくわくしていた。いつの間にか本気で花火を見たくなってしまったらしい彼の待ち遠しそうな横顔もなんだか若やいで見えた。
 私の内にはいつの間にか健やかな気持ちがよみがえってきているように思う。それは、友達を亡(な)くし、日常に疲れてしまった私の心が体験した小さな波、小さな蘇生(そせい)の物語にすぎなくても、やっぱり人は丈夫なものだと思う。こんなことが昔もあったかどうか忘れてしまったが、ひとり自分の中にある闇と向き合ったら、深いところでぼろぼろに傷ついて疲れ果ててしまったら、ふいにわけのわからない強さが立ち上がってきたのだ。
 私はなにも変わらず、二人の状態もなにひとつ変わってはいないけれど、こんな小さな波をくり返しながら、ずっと彼といたいと思った。とりあえず今は、いちばんいやなところを通り過ぎたと思う。なにがそれなのか、はっきりとはわからないのに、そんな気がする。だから、今ならば他の人を好きになることさえできるかもしれない。
 ――でも、多分しないだろう。私は、今、横に立つ背の高いこの人と、生き生きとした恋を取り戻したかった。大好きな人と。すべてをこの細い腕、弱い心のままでつなぎとめたかった。これからやってくるはずの雑多でおそろしいたくさんのことをなにもかも、私の不確かな全身でなんとか受けとめてみたかった。
 ああ、なんだかついさっき目が覚めたばかりみたいで、なにもかもがおそろしいくらい澄んで美しく見える。本当に、きれいだった。夜をゆくたくさんの人々も、アーケードに連なるちょうちんの明かりも、少し涼しい風の中に立ち、待ち遠しそうに真上を見ている彼の額の線も。
 そう思うと突然、なにもかもが完璧(かんぺき)すぎて涙がこみ上げてきそうになった。見回す風景の中の、目に入るすべてが愛しく、ああ、目を覚ましたのが今ここでよかった。いつもは車がいっぱいのこの通りがこんなに広い空地になった、真ん中の所に二人で立ち、花火を待ち、うなぎを食べて、一緒に眠ることのできる今夜を、こんなにはっきりした精神で観(み)ることができて嬉しいと思ったのだ。

 まるで祈りのような気分だった。
 ――この世にあるすべての眠りが、等しく安らかでありますように。

 やがて空に大きな音が轟(とどろ)き、巨大なビルの陰にちらりと姿を見せた半分だけの花火が、まるで透かし模様のように空を一瞬、彩(いろど)った。
「あ、見たか? 今、ちらっと見えたぞ!」
 背の低い私を思いやってそう言った彼は、それでも子供のようにはしゃいで私の肩を揺すった。
「うん、見えたわ。なんだか小さくてかわいいね。レースのコースターみたい」
 私は言った。透明な夜空に突然湧(わ)いてくるような小さな光の束が、とても花火とは思えないくらいに遠くに見えた。
「ほんとだ、なんか、花火のミニチュアみたいだ」

    *    *

●教材作品は読んでおいてください。
●課題作(原稿用紙2枚《ワープロの場合、A4用紙をヨコにしてタテ書き印字》)を、講座日の3日前までに、担当講師宅へ郵送のこと。提出作品はコピーして、皆で読みあいます。(一般の方などで講師宅の住所がわからない場合は、事務局まで問い合わせてください)

《祝》 斉藤せちさん(通教部休学中)、第14回長塚節文学賞・大賞を受賞。2011/07/05 20:40

長塚節文学賞は茨城県常総市の主催するもので、短編小説部門、短歌部門、俳句部門があり、斉藤せちさんの小説「大部屋の源さん」(45枚)が短編部門の応募155編のなかでみごと一等(大賞)に選ばれました。
宝塚市在住の斉藤さんは09年春、文校通教部に入学し、この春からは研究科休学中。
「大部屋の源さん」は、09年秋に通教部の課題作品として提出したものを、チューターやプレスクーリングのアドバイスを参考に改稿したものだそうです。
文校へ受賞を知らせてくれたメールには、「小説を書き始めてはや8年になりますが、賞をいただいたのは初めてで、たいへん光栄に思っております」とありました。
斉藤せちさんの、こんごの更なる飛躍を期待しております。

(小原)

五十嵐節子さん(通教部休学中)、詩集『吾亦紅』刊行。2011/07/06 21:50

『吾亦紅』
大阪市北区在住の五十嵐節子さんは、今春休学中ですが、2000年春からずっと通教部に在籍されています。
初めての詩集『吾亦紅』(株式会社パレード刊、1,000円+税)の“あとがき”には、次のような一節があります。
「あまりに拙い作品群は詩集にするには貧しすぎると随分逡巡しましたが、忽ちに波に消されてしまう浜辺の足もとにも似た儚い生の終わりに臨んで、思い切って一冊にあみました」
「夫の急死で我を失ったわたくしを温かく励まし、今日にいたるまでちからになってくれる大切な友人たちに深く深く感謝いたします」

(小原)

通教部生・古川けいさん、自分史『わたしの昭和 月夜のチョコレート』を刊行。2011/07/07 21:55

『わたしの昭和 月夜のチョコレート』
古川けいさんは香川県坂出市在住で、文校へは08年秋入学。【写真】は、『わたしの昭和 月夜のチョコレート』の86、87ページの見開きです。クリックで拡大。
右ページでは、筆者の古川さんが、1951(昭和26年)に18歳で小学校の助教諭に採用されて2年目のある日のことを述懐しています。
左ページは、昭和30年ごろの写真2葉です。いまの子供たちにはないような、それこそ破顔一笑ですね。

(小原)

作品未提出の通教生のみなさんへ。2011/07/08 17:28

今期2回目の作品をまだ提出していない通教生69名の方へ、今夜、激励のハガキを投函します。
以下のような文面です。
        *
 蒸し暑い日が続きますが、お元気でしょうか。
 通教部の11年度春期第二回提出作品の締切は一応、7月2日(土)でした。しかしながら、貴方からはまだ作品が届いていません。
 スクーリングのテキストとなる通教部作品集(『樹林』9月号)の掲載対象からははずれますが、提出作品は二週おくれの7月16日(土)まで受け付け、担当講師からアドバイス批評(個別評)は得られます。「文校ニュース」作品評にも載ります。
 あきらめてはいけません。誰しも〝締切〟との闘いのなかで書いています。尻切れとんぼでも結構ですから、ともかく書いて一日も早く、事務局まで作品を届けてください。作品を提出することが、文学学校と緊密につながれる最善の方途です。その作品は希望するなら、プレ・スクーリングの合評俎上に載せることができます。
 なお、このハガキと提出作品が行き違いになる方もあるかと存じますが、ご了承ください。

小野打数重さん、作品集を刊行。2011/07/09 15:13

川の流れのように
神奈川県在住、91歳の小野打数重さんは、去年の10月文校通教部へ入学。文校教室で行われた6月26日のスクーリングにも、バラパ夫人同伴でかくしゃくとした姿をみせられた。
通教部の提出作品などをまとめた今回の作品集『川の流れのように』は、自身5冊目のエッセイ集。
内容は、夫人との出会いの場である「タイに暮らして」、お孫さん「ゆうへ」、上高地や越後湯沢などの「旅行記」の3部構成。

読みたい方は、文校事務局まで連絡ください。小野打さんの意向をうけ、無料でお分けします。

(小原)

【学生委員会より】春期第6回大阪文学学校学生委員会 議事録2011/07/11 19:26


日   時:2011年7月4日(月)

出 席 者:15名 
内   容:
1.野神委員長より開会の挨拶が行われた。
2.各部活動報告・活動が行われた。

  ■ イベント部
  参加募集締切り日、宿への人数通達日等、今後のスケジュールについて報告された。
  当日までにすべきこととして、校長・チューターへの参加依頼、余興等の準備、名簿・部屋割りの作成についての段取りが報告された。
  チューター専用の部屋を別に確保できるかという意見があり、部屋の確保を手配することとした。  
  氷や水を車で運搬する組と、駅にて引率する組、先発組の役割分担について話し合われた。
  合宿の参加者募集ポスターの制作・掲示が行われた。
  
  ■ 在特部
  チューターに選考委員選出のお願いを行ったことが報告された。
  引き続き、選考委員の募集に向けて、呼びかけを行っていく。
  点数表作成や、作品締切日・翌日作品受渡しについての段取りが話し合われた。

  ■ 新聞部
  ページの割り振りについて話し合われた。
  合宿のレポート記事や高村薫の特別講座の案内記事掲載を含め、20ページ程度の号となる。
  原稿締切日は7月28日(木)。印刷は8月3日(水)に行う。
  折込・発刊は8月22日(月)である。

  ■ 広報部
  今回の学生委員会の速報を作成した。


別添 在特についての話し合い

次回の第7回大阪文学学校学生委員会
日   時:8月22日(月)19:00~