高橋陽子さん(文校OG)の小説が『文學界』11月号に転載される!2011/10/17 20:39

『文學界』11月号
文校の4年前の修了生である高橋陽子さんが同人誌『せる』に発表した小説「二等辺と錯覚形」が、2011年下半期同人雑誌優秀作に選ばれ、『文學界』11月号に転載されています。本屋で販売中。
高橋陽子さんは05年10月、ぼくの担当する夜間部の小説クラスに入学し、1年後は夜間部専科の尼子クラスに在籍していました。その後、尼子一昭、奧野忠昭、津木林洋チューターなど文校修了生が20数名つどう同人誌『せる』で書き続けています。
文校在学時から、独特の感性で現代若者の男女の関わり合いを描いてきた高橋さん、ひとつ大きな花を咲かせましたね。これからも、マイペースでがんばってください。

過去にも、修了生の西村郁子さん(09年下半期)、朝比奈敦・通教部チューター(07年下半期)、奥野忠昭・昼間部チューター(07年上半期)、岩代明子・昼間部チューター(06年下半期)の作品が同人雑誌優秀作に選ばれ、『文學界』(発行・文藝春秋)に転載されています。岩代さんの作品は、文校発行の『樹林』に発表された作品でした。

(小原)

文校修了生3氏が、第5回神戸エルマール賞の本賞、佳作賞を受賞!2011/10/18 16:31

神戸エルマール賞の本賞を受賞したのは、京都府の美馬翔さんで、文校には89年10月から主に夜間部に9年半在籍。受賞作は「波ゆるる」(同人誌『白鴉』25号所収)。
佳作賞を受賞したのは、大阪市の泉りょうさんで、文校には94年4月から主に通教部に9年間在籍。受賞作は「三伏の候」(同人誌『せる』86号所収)。
もう一人の佳作賞受賞者は、東大阪市の大西智子さんで、文校には00年10月から1年間、再入学した03年10月から4年間、夜間部に在籍。受賞作は「トモダチゴッコ」(同人誌『カム』7号所収)。

授賞式は、10月22日(土)午後1時から、神戸市中央区のラッセホールでおこなわれます。

3氏の受賞を祝するとともに、こんごのますますのご活躍を期待します。

(小原)

馳平啓樹さん(夜間部在籍中)が、文學界新人賞を受賞!2011/10/19 21:54

大変うれしいニュースが飛び込んできました。
昨日(18日)の読売や朝日などの各新聞で発表されているように、現在夜間部の青木クラスに在籍されている京都市の馳平啓樹さん(32歳)が、小説「きんのじ」で第113回文學界新人賞を受賞されました。
大阪文学学校に学んだ1万2千人を超える人々の中で文學界新人賞は、1985年(第61回)に故・早野貢司さんが小説「朝鮮人街道」で受賞して以来のことで、まさに快挙といえます。
09年4月文校入学の馳平さんは、昼・津木林クラス、昼・岩代クラス、夜・平野クラスを経て、この10月からは仕事のあとに夜・青木クラスに通ってきています。【写真】は今夜、クラスゼミ後、図書室に来てくれた馳平さん。
この2年半の間に、馳平さんの小説は文校の月刊文芸誌『樹林』の在校生作品特集号に2度掲載されています。09年12月号に、自らの失火で息子を失くしたために観音菩薩立像をたびたび訪ねる母親を描いた「観音」、10年12月号では、サーキットレースに賭ける若者たちの高揚と葛藤を描いた「声援」。
今回の受賞作「きんのじ」は、平野クラスのゼミに提出しみんなの合評を受け、大幅に書き直したものだそうです。受賞作は11月7日発売の『文學界』12月号に掲載されます。

いま、馳平さんと20分ほど話をしていたのですが、平野チューターなどへの感謝の言葉を真っ先に述べるなど、とても誠実そうな好青年です。もっと大きな賞を目指して精進されんことを。

(小原)

作品未提出の通教生のみなさんへ。2011/10/21 17:22

今期1回目の作品をまだ提出していない通教生57名の方へ、今夜、激励のハガキを投函します。
以下のような文面です。
        *
 秋の気配は徐々に深まっていきますが、お元気でしょうか。
 通教部の11年度秋期第一回提出作品の締切は一応、10月15日(土)でした。しかしながら、貴方からはまだ作品が届いていません。
 スクーリングのテキストとなる通教部作品集(『樹林』12年1月号)の掲載対象からははずれますが、提出作品は二週おくれの10月29日(土)まで受け付け、担当講師からアドバイス批評(個別評)は得られます。「文校ニュース」作品評にも載ります。
 あきらめてはいけません。誰しも〝締切〟との闘いのなかで書いています。尻切れとんぼでも結構ですから、ともかく書いて一日も早く、事務局まで作品を届けてください。作品を提出することが、文学学校と緊密につながれる最善の方途です。その作品は希望するなら、プレ・スクーリングの合評俎上に載せることができます。
 なお、このハガキと提出作品が行き違いになる方もあるかと存じますが、ご了承ください。

昼/文章講座(担当・佐久間慶子チューター)の1回目は11月5日(土)。2011/10/22 15:38

昼/文章講座の今期のテーマは、“小説・自由自在―恋愛・変愛・だまし愛 ”です。在校生無料、休学生・文校OB1000円。
第1回(11月5日PM3:00~5:00)の教材と課題は次のとおり。
●教材=「木の上」川端康成、「或る小石の話」宇野千代、「贈り物」丸谷才一。教材作品はできるだけ読んでおいてください。なお、戦後短編小説再発見(講談社文芸文庫)、変愛小説集(講談社)、世界文学のフロンティア(岩波書店)などのシリーズからコピーしたものを教室や事務局に置いてあります。
●課題=これぞ純愛(場面で書いて下さい)。 ハガキ一枚《600字以内》に書いて、講座日の5日前までに、佐久間チューター宅へ郵送してください。住所は、秋期「学習の手引き」4ページに記してあります。提出された作品はすべてコピーして、講座のとき皆で読みあいます。

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昼/文章講座は公開講座ですので、一般の方も参加できます。木戸銭は1回につき1500円。
事務局に問い合わせていただければ、佐久間慶子チューターの住所を教えます。

(小原)

秋期・学生委員会が始動。10月30日(日)は文学散歩!2011/10/24 22:15

秋の文学散歩
上は、学生委員会主催の“秋の文学散歩”の案内チラシです。
今日までに、20名近い参加申込があるそうです。
申込締切を28日(金)まで延ばすそうです。家族・知人同伴歓迎。

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今夜7時から、秋期第1回学生委員会が開かれました。夜間・昼間・通教部の各クラスから、新入生もまじえて11名の出席(登録は14名)がありました。
委員長に野神有虹さん(通教・真弓クラス)、副委員長に善積健司さん(夜・小原ク、《樹林・在特部》キャップ兼任)が再任されました。
また、《新聞部》キャップは赤井琢磨さん(昼・岩代ク)、《イベント部》キャップは高橋淳さん(夜・津木林ク)が務めることになりました。
半年間に各部でやるべきことを話し合いました。
そのあとは、“すかんぽ”へGo!

学生委員会は、まだまだ委員を募集中です。
学生委員会は、隔週月曜日の夜開かれています。 次回は、11月7日午後7時から。
各クラスからいろんな人が集まってきています。
関心のある方は、気軽にのぞいてみてください。

(小原)

通教部生・大野直子さんが詩集『化け野』刊行!2011/10/27 22:17

詩集『化け野』
大野直子さんは、金沢市在住で、文校の通教部には09年4月入学。現在、研究科・苗村クラスに在籍中。今春の第31回大阪文学学校賞〈詩部門〉の受賞者でもある。
自身2冊目となる新詩集『化け野』(澪標/2,000円+税)には、文校賞受賞作の「弔いの木」など、この1、2年の間に書きためた詩編が収められている。文校事務局でも販売中。
通教部スクーリングばかりでなく、金時鐘さんや細見和之さんの“詩の連続講座”にも作品を提出しよく参加されていた。金沢から、夜行バスで往来することが多かった。

詩集の“あとがき”には、次のような一節があります。
「魑魅魍魎(ちみもうりょう)がばっこする世界を多く描いた作家泉鏡花は、金沢の生まれ。奇しくも同じ町に育ったわたしは、いつしか幽玄の世界に惹かれていたのかもしれません。父の命と向きあう日々、閉ざせば閉ざすほど一方ではひらけ深まってゆく世界も感じていました」
そして、“あとがき”は、担当チューターである苗村吉昭さんへの感謝のことばで結ばれています。

文校修了生・大形順子さんの新刊紹介2011/10/28 18:47

『薔薇の行方』
大形順子(おおがた・じゅんこ)さんは、大阪市生野区において、89歳の去年まで50有余年にわたって眼科医院を開業。文学学校には、1992年4月から3年半、高田文月クラス(昼間部や夜間部)に在籍。
エッセイ集『薔薇の行方』(OLA出版部/2,667円+税)は、この15年間「生野区医師会報」に載せたエッセイ等をまとめたもの。
巻末に高田チューターの「大輪の黄薔薇、邂逅と行方」と題した懇切な跋文が収められている。

(小原)

夜・文章講座、第1回課題の例文。2011/10/29 13:07

夜・文章講座
小説の基礎篇Ⅰ―視点・人称・語り
講師 葉山郁生(作家)

第1回 11月14日(月)午後6時30分~

●視点の問題(人・物・事のどこに焦点をあて、どう組み立てるのか)
●教材=落合恵子「積極的その日暮らし」(朝日新聞出版)

    *    *

●課題=エッセイ「ある日の私」(自分の関心ある事象や出来事を2つ以上とりあげる)

 第一回目のテキスト本には、日々のくらしのさまざまな経験が、多様で深い物の見方・感じ方で取り上げられています。
 第一回目の課題文のために、次の文章を例にあげます。この文章中、散歩に出かけたことと、過去に兎を飼っていたこと、二つの出来事や事象が、豊かな五感の活性化とともに描かれています。


 「ある日の私――緑の中を歩く」

 緑の中を歩いている。
 家の近くのただの公園なのだけれど、そこは、街の雑踏から切り離された不思議な空間である。陽に透けて輝く木の葉の向こうにはちらちらと青い空がのぞいている。広い池には、家鴨が二羽、寄りそって泳いでいて、水面はきらきらと光を放ち目にまぶしい。優しい風が公園の隅々までなでていく。そんな空間の中をゆっくり歩いていく。
 ある春の日、私は窓の外にひろがる、真っ青な空とれんげ畑に誘われて、散歩に出かけることにした。暖かくなったかと思うと、寒さが戻る春先、私は下宿で何もしたくない日々をすごしていた。その春の一日、まず、れんげ畑の脇を通って、見て匂って楽しんで、あんまり気分がよくなったから、歩いて十五分ほどの自然に囲まれた散歩するには充分な広さの、その公園へと足を延ばすことにした。交通量が多く、たくさんのお店が建ち並ぶ大通りに沿ってどんどん進み、急な坂を上ればそこが公園の入口である。
 その公園は、寺ヶ池公園という名前のとおり、寺ヶ池というため池を中心に整備されている。とても大きな池で釣り人も多く、池の周辺には自然が豊富に残されている。公園の中に入った私の目の前には、透き通った青い空ときらきらひかる水面、それを取り囲む緑の木立の光景がひろがっていた。私は、木々に覆われた散歩道をゆっくりゆっくりと歩き始めた。昨日、雨が降ったせいか、少しひんやりとしていて気持ちいい。木や草たちも余分なものを洗い落としたのかさっぱりとしていて、すがすがしい。
 しばらく歩いているうちに、頭の中が真っ白になっていた。何も考えずに空っぽのまま自然を体中で感じながら、ただ緑の中を歩いていた。
 それまでは、静かだと思っていた。けれど、それは大きな間違いであった。何種類もの鳥の声、木の葉と葉が重なり合うざわめき、そして風の音、ここにいる全ての生き物が自分が生きていることを主張していた。
 ふと、郷里の家で飼っていた兎を散歩に連れ出した日のことを思い出した。犬用のキャリーバックから兎を出して、草の上に座らせると、耳をぴくぴく鼻をひくひくさせて、しきりに辺りを気にしはじめた。あの時、きっと兎は、周りから聞こえてくる自然の声に敏感に反応していたのだろう。それは人間の私が感じたものよりももっと鋭く、はっきりとしたものだったに違いない。
 自然が私たちにどのような影響をもたらしているのかはわからない。でも、緑の公園にいる人々の周りには、いつもほのぼのとした優しい雰囲気が漂っている。散歩をする老夫婦、犬と一緒にベンチに座ってのんびりしているおじさん、自転車で走り抜ける親子、バドミントンをするカップル、同じ空間の中でみんなとても安らいでいる。それは、自然から受ける同じ心地よさを共有しているということなのだと思う。
 私はそんな思いや感じにひたされながら緑の中を歩いていたのだった。

    *    *

●教材作品は読んでおいてください。
●課題作(原稿用紙2枚《ワープロの場合、A4用紙をヨコにしてタテ書き印字》)を、講座日の5日前までに、担当講師宅へ郵送のこと。提出作品はコピーして、皆で読みあいます。(一般の方などで講師宅の住所がわからない場合は、事務局まで問い合わせてください)