24日(日)文校でヂンダレ研究会主催のシンポジウムがあります。2009/05/18 19:45

いまヂンダレ・カリオンをどう読むか

ヂンダレ研究会●シンポジウム

在日文学の読者にとっては周知の、しかし幻の雑誌であった『ヂンダレ』『カリオン』が、昨秋復刻されました。朝鮮戦争下で創刊され足かけ6年にわたって刊行された在日朝鮮人サークル詩誌『ヂンダレ』とその後継誌『カリオン』には、金時鐘・鄭仁・梁石日をはじめ、激動の時代を生きた青年詩人たちの創作の軌跡が刻まれ、在日文学の原点として今も光を放っています。
1950年代という在日朝鮮人にとってはとりわけ困難の多かった時代に、詩をもってその時代と対峙した青年詩人たちの言葉をいまどう読むのか、当事者でいらっしゃる金時鐘さん・鄭仁さんにもコメンテーターとして加わっていただきながら、議論を交わしたいと思います。報告者はいずれも『ヂンダレ』『カリオン』刊行当時にはまだ生まれていなかった世代に属します。このたびの復刻版をどう受けとめようとしているのか。それぞれの受けとめ方を擦り合わせながら、参加者の皆さんとともに読みの可能性を開いていければと思います。
多くの方々のご参加をお待ちしています。

2009年 5月24日(日)
13:30~17:00(13:00開場)

場所/ 大阪文学学校
     〒542-0012 
大阪市中央区谷町7-2-2-305 
TEL 06-6768-6195
URL http://www.osaka-bungaku.or.jp

入場料/ 無料


~ プログラム ~

13:30~
●趣旨説明 細見和之

13:40~
●報告 宇野田尚哉
東アジア現代史のなかの
『ヂンダレ』『カリオン』

14:10~
●報告 丁章
 〈在日〉の「原初のとき」をたずねて
 
14:40~
●報告 崔真碩
  『ヂンダレ』を声に出して読む

― 休憩 ―

15:30~
●コメント 金時鐘さん

15:45~
●コメント 鄭仁さん

16:00~
●ディスカッション

17:00 終了

◆報告者紹介◆
細見和之(ほそみ・かずゆき)
1962年生まれ。大阪府立大学人間社会学部教授。詩人。ドイツ思想を専攻しながら、現代詩の実作と批評にも取り組んできた。著書に『アドルノ』(1996/講談社)・『アイデンティティ/他者性』(1999年/岩波書店)、詩集に『言葉の岸』(2001年/思潮社)・『ホッチキス』(2007年/書肆山田)など。

宇野田尚哉(うのだ・しょうや)
1967年生まれ。神戸大学大学院国際文化学研究科准教授。専門は日本思想史。復刻版『ヂンダレ・カリオン』別冊所収の解説を執筆。

丁章(チョン・ヂャン)
1968年生まれ。詩人。在日3世。東大阪在住。詩集に『民族と人間とサラム』(1998年)『マウムソリ ―心の声』(2001年)『闊歩する在日』(2004年)、エッセイ集に『サラムの在りか』(2009年)〔著書はいずれも新幹社〕

崔真碩(ちぇ・ぢんそく)
1973年生まれ。文学者。野戦之月海筆子(ヤセンノツキハイビィーツ)の役者。編訳書に『李箱作品集成』(2006年/作品社)、エッセイに「影の東アジア」(『現代思想』/2007年2月号)、出演作に『ヤポニア歌仔戯 阿Q転生』(2008年11月東京・12月広島)など。

◆コメンテーター紹介◆
金時鐘(キム・シジョン)
1929年朝鮮元山市生まれ。詩人。1953年大阪朝鮮詩人集団を組織して『ヂンダレ』を創刊。のちに鄭仁・梁石日と『カリオン』を発行。主著は集成詩集『原野の詩』(1991年/立風書房)、エッセイ集『「在日」のはざまで』(1986年/立風書房)。

鄭仁(チョン・イン)
1931年大阪猪飼野生まれ。詩人。1954年第7号から『ヂンダレ』に参加、第10号から編集を担当。のち金時鐘・梁石日と『カリオン』を発行。主著は詩集『感傷周波』(1981年/七月堂)。


終了後、交流会をいたします。
   場所/  すかんぽ
        会場より徒歩3分



主催●ヂンダレ研究会 協賛●不二出版
お問い合わせ●ヂンダレ研究会・代表  宇野田尚哉  E-mail■unoda@kobe-u.ac.jp


               戦後文化運動誌叢書⑥                   
大阪朝鮮詩人集団機関誌
復刻版 ヂンダレ・カリオン 全3巻+別冊1
〔付録〕『原点』(第1号・梁石日個人雑誌)/『黄海』(創刊号)
解説=宇野田尚哉・細見和之 鼎者=金時鐘・鄭仁・梁石日
体裁=A5判・上製・総922頁 刊行=2008年11月
本体価格=36000円+税 別冊のみ分売可(本体価格=1000+税)
不二出版 〔TEL〕03-3812-4433 〔FAX〕03-3812-4464

夜・文章講座(担当/葉山郁生チューター)に41名参加。2009/05/18 22:33

09春・1回目の夜・文章講座
2時間半に及んだ講座の前半で葉山チューターは、さまざまな資料をつかって、小説を書くうえで“日常意識が崩壊する変性意識”が大切であると力説されました。後半には、あらかじめ提出されていた20編の課題作にひとつひとつに寸評を加えられました。

次回(6月29日・月曜日)の夜・文章講座の内容と課題は、次のとおりです。なお、教材作品コピーと、モンタージュについての解説文コピーは文校事務局にあります。ほしい方は、連絡ください。

~「彼(女)は」(三人称)、「私は」(一人称)の「自己」の多元性を追求する~

教材=戦後短篇小説再発見⑯『「私」という迷宮』(講談社文芸文庫)から梅崎春生、高橋たか子、森瑤子の作品(コピー配布予定)

課題=場面と人物の骨格づくりのため、モンタージュによる二つの場面を非連続の合成で作る
(一)小説の一部として、あるいは一本のエッセイとして、ある場面(シーン)と別の場面(シーン)の二つを、間に一行あけを置いて原稿用紙二枚程度で書いてください。この二場面は、日常生活諸現実の緩やかな時間の推移としてなぞるのではなく、間に時間や場所、人間関係などの省略や飛躍を伏線として置くように重ねること(人称、題材自由。人物数はあまり多くしないこと、シナリオ風も可)。
(二)具体例としては、
 ①ある体験や出来事・事象にまつわって、「私」の現在と過去の場面を重ねる
 ②ある現象体験・エピソードと、それに対比させる、あるいは正反対の体験・エピソードを重ねてみる
 ③一回目の変性意識体験を現実的・日常的なものと、夢や幻想部分に二分する
 ④「私」(彼、または彼女も)のある体験・出来事・エピソードを、別の人物の同種の体験などに連想し、飛躍させる。

●教材作品は読んでおいてください。
●課題作(原稿用紙2枚《ワープロの場合、A4用紙をヨコにしてタテ書き印字》)を、講座日の5日前までに、担当講師宅へ郵送のこと。提出作品はコピーして、皆で読みあいます。(一般の方などで講師宅の住所がわからない場合は、事務局まで問い合わせてください)

(小原)